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工場の解凍機における課題

工場で冷凍食材を解凍するにあたり発生しがちな悩み・課題についてまとめました。業務用解凍機の導入を検討している方は参考にしてください。

解凍ムラが起きてしまう

大量の冷凍食材を扱う工場などでは、急激な解凍によるドリップによる品質劣化を防止するため、時間をかけて解凍する冷蔵庫解凍が一般的です。また、短時間で解凍する場合には流水解凍などもあります。しかし、解凍ムラの発生や衛生管理が難しいことなどが課題。導入前には機器の性能やサポート体制などを確認しましょう。

衛生管理の負担が大きい

食材を解凍庫内のどこに置いたかによっても発生してしまう解凍ムラを防止するためには熟練の作業員が必要です。加えて食品の解凍作業中は常に温度管理もおこなわなければならないため、この作業においても初心者では衛生管理が難しいことが課題になっています。作業人員の採用や育成についても、工場をあげて検討していくべきと言えます。

品質が不安定

大量調理が必要な工場などでは、肉類や魚介類を扱うときは、仕入れた食品を冷凍保存しておき、必要なタイミングで解凍して調理する場面が多くなります。しかし、冷蔵庫に食品を入れて解凍する方法では時間がかかりすぎ、流水解凍では品質の低下が懸念されます。 解凍方法によっては、それぞれの方法にメリット・デメリットがあり、タイミングに合わせて解凍をおこなった場合、品質が不安定になることが避けられないという悩みを抱えています。

汚水処理の負担

一般的に流水解凍では、1tの冷凍食材を解凍するためには10tの流水が必要だと言われているように、それに使用される水道代や下水道代とあわせて、排水される汚水処理の負担も大きな課題になっています。さらに、品質的には冷凍食材が吸水する、ドリップが多く歩留りが悪いなどの問題もあり、今般の環境問題への取り組みなどの観点からも、汚水の心配は大きな課題となってきています。

解凍専門のメーカーが少ない

現在、冷凍の分野には多くのメーカーで装置があり、開発の歴史も長いことから市場も大きく、選択肢も広くなっています。そんな中、従来の解凍方法の問題を解決する手段として、短時間で食材の品質を保ちながら解凍できる解凍機の開発が進み、高品質の食品製造を求められる工場などでは、解凍工程の見直しが重要な課題になると思われます。 しかし、解凍システムに関しては、そもそも専門とするメーカーが少なく、業界としても未成熟であるといわれていることも課題になっています。

工場に解凍機を導入することのメリット

食品工場で解凍機を導入する場合、作業環境や品質維持などのメリットが見込まれます。ここでは、食品工場での解凍機の活用とそのメリットについて考えてみましょう。

作業効率の向上

食品工場では効率的な生産計画が求められるため、急速冷凍機や大型冷凍室を導入している工場は多くあります。しかし、解凍作業は、食品により異なり、それぞれの食品に対応した作業を行うことが必要です。そのため、急速冷凍工程だけでなく解凍工程にも機器を導入することで、作業効率が高まります。

解凍の際の時間短縮と品質の維持

解凍作業は、食材によって多くの時間を要する場合があります。解凍機を導入することで、解凍時間の短縮が可能になります。また、解凍ムラを減少させ、高品質で美味しい食品に仕上げられます。解凍機を導入しない場合と比較して、解凍時間の短縮と品質維持が可能になり、美味しい食品を消費者に提供しやすくなります。

食品安全を計測可能

解凍機の導入で、解凍時間と温度の管理ができるため、微生物の管理が可能となります。そのため、食品安全上のより厳しい衛生管理が可能に。作業員が監視する解凍工程と異なり、正確な温度と時間の管理ができるため、食品安全の視点からも優れているといえます。

解凍機を導入したことで悩みが解決した事例

商社の自社工場への導入

ハム等の製造を外部委託していた商社では、自社工場での製造に切り替えを実施。以前の委託先では、原料肉の解凍に1~3日かかっており解凍に時間がかかることで、ドリップ発生による品質の低下が問題となっていました。作業効率と製品の品質の向上の必要性を感じていました。

そこで、急速解凍機の導入を開始。一晩で解凍できるためドリップの発生も抑制されました。急速解凍機の導入で、作業効率の改善と品質向上の効果も得られています。作業者の負担軽減と製品の顧客ニーズにも対応することができました。

参照元:プロトンエンジニアリング株式会社
(https://proton-eng.co.jp/news/20220127183633-1284/)

魚の缶詰工場への導入事例

さば、さんま、いわしの缶詰の製造工場に急速解時を導入した事例を紹介します。急速解凍機を導入することによって、流水ほぐしの工程を削減することができました。そのため、スムーズに調理工程に入ることができ、作業効率の向上につながっています。

以前の流水解凍では、魚の中心と表面の温度差が大きく、ムラのある解凍になっていました。しかし、解凍機の導入で、短時間で温度のムラがない解凍ができ、うまい成分の残した製品を製造できるようになりました。

解凍機の導入で、作業効率と製品の品質の向上を実現することが可能になりました。

参照元:山本ビニター
(https://premium.ipros.jp/vinita/product/detail/2000605717/)

メーカー別に見る
業務用解凍機

Recom
mended

おすすめ解凍機メーカー4選

サイト内で紹介している解凍機の特徴についてまとめました。食材やニーズに合わせて適した解凍方法を選びましょう。

そのまま提供する生食品を
食感を変えずに解凍できる
低温高湿解凍
フジ技研工業
低い温度でも均一に解凍可能
  • 製品数:9製品
  • 解凍量:60kg-50,000kg
  • 食材:肉類(牛・豚・鶏・馬)
  • 魚介類(魚・貝・魚卵)
  • その他(つゆ・野菜ペースト)
  • 解凍時間:3-12時間

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形状や大きさが不ぞろいの食品を
スピーディーに解凍できる
マイクロ波解凍
明治機械
秒単位で解凍可能!
ハイパワーの解凍能力
  • 製品数:5製品
  • 解凍量:20kg-15.4t
  • 食材:肉類(牛・豚・鶏)
  • 魚介類(魚)
  • 果物
  • 解凍時間:35秒-4分54秒

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分厚くて大きな塊の食品を
中まで均一に解凍できる
高周波解凍
山本ビニター
高周波で中までムラなく解凍可能
  • 製品数:10製品
  • 解凍量:60kg-4,000kg
  • 食材:肉類(牛・豚・鶏)
  • 魚介類(魚・海老)
  • その他(野菜・パン・菓子)
  • 解凍時間:任意

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袋詰めされた調理済食品を
手軽に解凍できる
流水解凍

共生テクノス

少量からOK!
エコな水循環式の流水解凍
  • 製品数:2製品
  • 解凍量:10kg-180kg
  • 食材:真空パックされている肉類や魚介類、加工食品
  • 解凍時間:公式HPに記載がありませんでした。

公式HPへ

※2023年6月23日時点、Google検索「解凍機」で上位に表示される解凍機を販売・製造するメーカー41社の中から、各解凍方法別に製品数が多い会社をおすすめの会社と紹介しています。