マイクロ波解凍で食品を解凍するメリットや課題点について解説。マイクロ波解凍方式を搭載している業務用解凍機を取り扱う国内メーカーと併せて紹介しています。
マイクロ波解凍機は、家庭用電子レンジや通信分野などで使用されているマイクロ波を当てて冷凍品を解凍する機械です。解凍スピードが早いため、冷凍品の鮮度を保持したまま素早く解凍してくれます。
解凍時間が短くなることで、食品の旨味を逃さず美味しさもキープ。解凍にかかる作業負担も軽減されるため、作業の効率化にも効果を発揮してくれるでしょう。
マイクロ波解凍機の仕組みは、電子レンジと同じ。マイクロ波によって分子を振動させてマイクロ波を照射することで冷凍品に含まれる水分子を震わせて加熱し、冷凍品の内部から解凍させるため、急速解凍を行うことができます。
業務用の解凍機は、家庭用レンジよりも食品内部に浸透しやすい915MHz(±10MHz)の周波数を使用しているため、解凍スピードも速いです。
マイクロ波解凍機は、食品の内部から加熱してくれるマイクロ波を照射することで解凍します。そこで、マイクロ波解凍機にはどのようなメリットがあるのかまとめてみました。
解凍に時間を費やすことがないため、必要な時にすぐに作業ができます。また、短時間で解凍できるので、作業の効率性もアップ。同じマイクロ波解凍機でも、メーカーによって解凍能力に違いがあり、さまざまな機種があるので少量から大量の解凍品まで対応することが可能です。
冷凍品を秒単位で速やかに解凍することによって、旨味成分であるドリップの流出を最小限に留めてくれます。解凍時のドリップ流出量が少ないので、食材をフレッシュな状態のまま美味しさを損なうことなく解凍できるところも魅力です。
マイクロ波解凍機は、大小さまざまな冷凍品に対応可能。連続した解凍作業はもちろん、形状の異なる冷凍品や大きな食品ブロックも時間をかけることなく解凍することができます。解凍機の種類によっては、梱包したままの状態で解凍作業が行えるものも販売されています。そのため、作業工程の削減にも大きく貢献できるでしょう。
マイクロ波解凍はスピーディーに解凍できる利点がありますが、課題も存在しています。ここでは、その課題について考えていきます。
マイクロ波は浸透深度が浅いため、表面と内部の温度差によって解凍ムラが生じやすいという問題点があります。しかし、表面と中心部との温度差を小さくすることによって均一に解凍できる機種も開発されています。
解凍処理能力が高いものは大型の機械になってしまうため、導入の際には設置場所を確保しておく必要があります。
最近では大型タイプからコンパクト化されたものまで幅広いラインナップを展開しているメーカーも増えてきているので、用途に合わせて機種を選定できる解凍機がおすすめです。
明治機械は創業から120年以上に渡り、食品加工を支える製造プラントを中心に事業を展開。米国フェルライト社のアジア独占販売企業として、フェライト社製のマイクロ波解凍機を販売しています。
解凍能力や1度に解凍する量に合わせて5種類の機種があるため、導入する場所やニーズに対して適切な1台を導入することができます。
生活家電メーカーとして知られている東芝ライフスタイルでは、真空マイクロ波という東芝オリジナルの解凍技術によって凍結前のおいしさを再現。
解凍時の温度ムラが生じにくくなっているため、解凍後の鮮度感にこだわったハイブリッド解凍機器として注目を集めています。
日本ハイコムは、自動車メーカーの生産設備の設計・コンサルティング業務等を行っている企業。高精度温度コントロールシステムという独自の機能を搭載したマイクロ波解凍装置は、食材や食品を目標温度に解凍することが可能。
風味や鮮度など品質を保ったまま美味しく解凍できるのが特徴です。
サイト内で紹介している解凍機の特徴についてまとめました。食材やニーズに合わせて適した解凍方法を選びましょう。