流水解凍で食品を解凍する上でのメリットや注意点、さらには流水解凍方式を搭載した業務用解凍機を取り扱う国内メーカーをまとめて紹介します。
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企業名 | 完了温度(解凍温度) | 解凍機の製品数 | 解凍時間 |
---|---|---|---|
細田工業 | - | 4 | 約30分 |
エレクトロラックス プロフェッショナルジャパン |
- | 1 | - |
共生テクノス | 1℃ | 2 | - |
伸洋産業 |
水中解凍機:芯温-2℃ 小型卓上回転解凍機:芯温0℃~3℃ |
2 | 水中解凍機:2分 小型卓上回転解凍機:15分 |
フクシマガリレイ | - | 7 | 45分 |
※「-」はHP上に記載がなかったものを指します。
流水解凍機は短時間での解凍が可能なため、スピードを求められる飲食店の調理場などによく導入される解凍機です。
ただし、流水解凍機を使って解凍できる食品にはいくつかの条件があり、大前提として食品が真空パックなどの袋に詰められていることや、直接水に触れても品質上問題ないことが必須です。
加えて、水に触れた食品表面には酵素反応が生じて色や食感が変化するため、既に味付けや味付けが済んでいる食品が流水解凍に適しています。
流水解凍機は、シンクに溜めた水や温水に冷凍品を浸けて、水を流しながら解凍する解凍機を指します。
水または温水の温度と冷凍品の温度の差によって、解凍するこの流水解凍は、短時間で食品を解凍できる点が特徴です。
食品の種類や大きさにも左右されますが、一般的に30分あれば大抵の食品は流水で解凍することができます。
流水解凍は、パックに入れられた食材を品質のよいまま解凍できることが特徴です。魚介類などの解凍に適しています。しかし、大量の水を使用するので節水や省エネが課題です。
この課題に対して大型流水解凍機は約180kgを1度に解凍できます。水循環式で省エネ、節水対策に取り組んだ機械です。
小型の流水解凍機は、10kg程度のパックされた食材の解凍に適しています。キッチンに備え付けることもでき、簡単に流水解凍を行うことが可能です。
流水解凍は高品質に解凍できる利点がありますが、課題も存在しています。ここでは、その課題について考えていきます。
流水解凍は、大量の水を使用し、解凍までに時間がかかります。この課題に対して、機械解凍で-2度程度まで解凍後、流水解凍することで時間と水資源の削減が可能です。機械解凍を取り入れることで、流水解凍で気になる水道代の大幅節約も可能です。また、時間のかかる流水解凍の時間の短縮も可能です。
流水をそのまま食材にかけた場合、食材のうま味成分の喪失につながります。うまみの喪失によって、喫食時の美味しさと栄養を損なうことにつながります。この課題に対して、機械解凍で-2度程度まで解凍し、その後流水解凍をすることで、うま味成分の流失の予防につながります。
ホタテなどのパックの流水解凍を行うとき、ドリップが発生する場合があります。それに伴って食材の質量も減少。機械解凍で-2度程度まで解凍後に、流水解凍することでドリップの発生と質量減の予防をすることが可能です。
細田工業が製造を手がける流水解凍機「流廻」は、ソフトな流水を使ってムラなく均一に冷凍ブロックを解凍できる点が大きな特徴です。
流水解凍機の強みである解凍スピードに関しては、300/500サイズの冷凍エビであれば解凍水温25℃に設定すればおよそ30分で解凍が済みます。
解凍されたブロックは順次排出されるため、解凍後の品質を均一にキープ。
また、サイズや解凍能力に応じて型4種類のラインナップがあり、最小型のRYU402Zであれば、飲食店の厨房などスペースが限られている場合でも設置できます。
共生テクノス株式会社の手がける大型流水解凍機は、15kg収納のプラスチックコンテナであれば一度に12個分、約180kgを自動で解凍することが可能です。
解凍が済んだ後、解凍庫は自動で清掃されるため、作業員が分解や清掃をする手間が省けます。
加えて、使用する流水は循環式になっているため、省エネルギー性も高い点が特徴です。
共生テクノスは上述の大型流水解凍機の他に、コンパクトな小型流水解凍機も製造販売しています。
少量向けの小型流水解凍機は、一度に10kg程度の冷凍品を解凍でき、飲食店の調理場などスペースが限られた環境でも据え置きで使用できます。
大型流水解凍機と同様に、水循環式を採用しているため、省エネルギー性が高く環境に優しいつくりになっています。
サイト内で紹介している解凍機の特徴についてまとめました。食材やニーズに合わせて適した解凍方法を選びましょう。