解凍時代 進化し続ける解凍機ドキュメンタリー » 食材別に見る業務用解凍機 » 魚介類を解凍する際のポイント

魚介類を解凍する際のポイント

業務用解凍機の使用において、特に魚介類を解凍する際のポイントや注意点、さらに魚介類に適した解凍機を取り扱うメーカーをまとめて紹介します。

魚介類を解凍する際のポイント

魚を解凍する上でのポイントは、なんと言っても魚本来の鮮度や発色を損なうことなく解凍することです。

飲食店の調理場などでは、冷凍した魚を冷蔵庫に移すことでゆっくりと解凍するケースもあります。

冷蔵庫解凍は低温で少しずつしか解凍できないため、少量の解凍に向いています。

魚介類を解凍する際の注意点

魚を解凍する際に気をつけるべきは、急激に加熱しすぎないこととです。

電子レンジなどを使って短時間で解凍しようとすると、急激な温度差でドリップが発生し、魚の旨みを損ねてしまう恐れがあります。

また、常温解凍で魚を長時間常温に晒しておくと、細菌が繁殖しやすくなるため注意が必要です。

魚介類の管理で注意すべき微生物

腸炎ビブリオ

腸炎ビブリオによる食中毒

腸炎ビブリオは、海に生息する細菌であり、海水温が上昇する夏季に活発に増殖します。この菌が付着した魚介類を刺身や寿司、生食用の魚介加工品などで摂取することが主な原因で食中毒を引き起こします。

食中毒の症状は、通常、感染から数時間〜1日で現れ、激しい腹痛や下痢、発熱、吐き気などが挙げられます。多くの場合、軽症で済みますが、脱水症状を引き起こすこともあり、特に高齢者や乳幼児は注意が必要です。

腸炎ビブリオが発生する時期

腸炎ビブリオは高水温で増殖しやすく、水温が高い季節は原料由来の菌量が増えて基礎リスクが上がります。さらに、漁獲・加工・流通・提供の各工程での温度逸脱(冷却の遅れ、冷蔵不保持、常温放置など)や衛生管理不備(交差汚染、器具・手指の不衛生)が重なると、食中毒(経口感染)の発生が増加します。

近年は海面水温の上昇により、沿岸域でビブリオ属の増殖に適した期間・海域が拡大しうることが指摘されています。

腸炎ビブリオによる食中毒の対策

下処理時は真水(流水)で魚介類表面を洗浄し、器具・手指を洗浄消毒して二次汚染を防止します。加熱調理が可能な場合は、中心温度75℃で1分以上(またはこれと同等)を基本に十分加熱してください。

アニサキス

アニサキスによる食中毒

アニサキスは、サバやイカ、カツオ、サンマ、アジなどの魚介類に寄生する線虫の一種です。この幼虫が寄生した魚介類を未加熱の状態で食べると、幼虫が胃壁や腸壁に侵入し、激しい腹痛や吐き気、嘔吐などを引き起こします。

この症状はアニサキスによる胃腸壁への刺入と見なされており、食後数時間以内に発症することが多いです。アニサキスは目視でも確認できることがありますが、多くの場合、胃カメラによる摘出が必要となります。

アニサキスが発生する時期

アニサキスによる食中毒は一年を通して発生します。魚種や生食機会が増える時期に相対的に報告が増えることはありますが、季節に関わらず、内臓の早期除去、低温(4℃以下)保存、長時間放置の回避が重要です。保存中は、時間・温度の影響で内臓から筋肉への移行が進みやすいことが示されています。

アニサキスによる食中毒の対策

冷凍処理が可能な場合は-20℃以下で24時間以上の冷凍、または70℃以上での加熱が有効です。家庭用冷凍庫は-18℃前後が多いため、より長めの冷凍期間を確保してください。生食用では、内臓の早期除去、薄切りと目視除去、低温保持(≤4℃)を徹底します。

解凍業者として特に重要なのは、適切な冷凍管理の徹底です。冷凍された魚介類が、中心部まで十分に冷凍されていることを確認してください。また、解凍後の加工時に、魚の筋肉や内臓に寄生しているアニサキスを目視で確認し、除去することも重要です。

加熱用として解凍した魚介類については、十分に加熱調理するよう顧客に案内することで、食中毒のリスクをさらに低減できます。

魚介類の管理で注意すべき化学物質

ヒスタミン

ヒスタミンによる食中毒

ヒスタミンは、魚介類に含まれるアミノ酸の一種であるヒスチジンが、特定の細菌の働きによって分解されて生成される化学物質です。この細菌は、魚介類の鮮度が低下すると増殖しやすくなります。

ヒスタミンを多量に含む食品を摂取すると、ヒスタミン食中毒(アレルギー様食中毒)が引き起こされます。

症状はアレルギーに似ており、顔面紅潮、頭痛、じんましん、発熱、吐き気、下痢などがみられます。症状は比較的軽度で、数時間から数日で回復することがほとんどですが、重症化する場合もあります。

ヒスタミンが発生する時期と条件

ヒスタミンはヒスチジンをヒスタミン産生菌が分解して生成します。10℃で低温管理していても長期保存で増えることがあり、また5℃付近でも菌の種類や汚染経緯によっては生成し得ます。一度生成されたヒスタミンは加熱では分解されないため、予防はできるだけ低温+短時間の運用が基本です。

ヒスタミンによる食中毒の対策

船上(漁獲直後)から流通・保管・解凍・加工・提供まで、連続したコールドチェーンを維持します。冷却遅延や10℃前後での長期保管、5℃でも長時間放置などの温度逸脱を避け、可能な限り4℃以下を守り、保存時間を最小化します。

魚介類用解凍機を販売する会社

タイヨー製作所

タイヨー製作所の低温高湿式解凍装置は、低温解凍によってドリップを出さずに鮮度よく仕上げることができるため、魚介類の解凍に適した解凍機です。

衛生対策に関しては、解凍中に庫内で除菌作用が働くことで殺菌・除菌を実現しています。

さらに、庫内の空気が空気清浄装置の水に触れることによって脱臭効果を発揮し、魚独特の臭みを消す働きをします。

タナカ冷機工業

タナカ冷機工業が開発した低温蒸気式解凍装置も、8~15時間かけて食品の旨みを逃すことなくじっくりと解凍するため魚の解凍に向いています。

導入コストを比較的リーズナブルに抑えられることに加えて、省エネルギー性の高い自然媒体CO2を採用していることによって維持費も低く維持できます。

細田工業

細田工業が製造を手がける「流廻」は、流水解凍によって均一かつスピーディに解凍できる点が大きな特徴です。

飲食店の厨房などスピードが求められる食品加工現場に向いており、魚介類の解凍にも対応しています。

しかし、流水解凍は食品表面に酵素反応が発生して味や色が変化する可能性があるため、解凍する食品はあらかじめ味付けや下茹でを済ませておくのが良いでしょう。

解凍スピードに関しては、300/500サイズの冷凍エビであれば解凍水温25℃に設定すればおよそ30分で解凍が済みます。

サンテツ技研

高電圧静電誘導エネルギーを用いたデパック技術の解凍機を提供している会社です。食材の変色を抑え、酸化の防止によって色味も美しい状態を保ちやすくなります。重量のロスもないので、コスト面にとってもメリットがあるでしょう。解凍終了後は解凍機から冷蔵庫への移し替えが必要ないため、スタッフの負担の軽減にもつながります。

山本ビニター

業務用解凍機であるテンパトロンシリーズを取り扱っている会社です。高周波を活用した内部加熱方式を採用し、短時間かつムラのない解凍ができます。内側から均一に解凍でき、ブロック型の大きな魚類であっても短時間で解凍可能。さらに旨味成分が外に逃げ出すことを防ぐため、鮮度の高い状態のままで解凍できるでしょう。

フジ技研工業

解凍機に特化した会社なので取り扱っている解凍機が豊富です。それぞれの厨房や工場に適した解凍機が見つけやすく、企業ごとの要望に沿った解凍機の制作も行っています。狭いスペースにも設置できる小型の解凍機も取り扱っており、小型かつ性能の良い一台を提案してくれるでしょう。UV-C殺菌ランプを搭載しているタイプもあるので、衛生面に配慮したい企業にも適しています。

三菱電機冷熱プラント

独自のメンテナンスサービスを提供しており、グループ全体で包括的なバックアップ体制を整えています。北海道から九州までサービス拠点があるため、支店などを全国に構えている会社もトータルでサポートしてもらえるでしょう。低温高湿度解凍機であるハイブリッド・デフロスターを取り扱っており、品質の低下を防ぐシステムを搭載しています。

日本ハイコム

1985年より自動車の生産ライン生産や生産設備のメンテナンス、設計製作を行っている会社で、食品用の設備として解凍装置・殺菌装置・乾燥装置・ヒーディング装置・調理装置を取り扱っています。日本国内だけでなく、海外にも拠点を設けており、幅広いエリアに対し技術を提供。ハイコム式の解凍方法を開発しており、より短時間での解凍が可能です。

魚介類用解凍機を販売するそのほかの会社

Recom
mended

業種で選ぶ解凍機メーカー3選

「ピークタイムに急な解凍作業が追いつかず、調理スタッフが現場で混乱してしまう」「解凍ムラによって食材の品質が低下し、クレームにつながる」といった問題は、多くの法人企業様が直面している課題ではないでしょうか。これらを解決し、作業効率を飛躍的に向上させながら、食材の鮮度・食感をしっかり維持して短時間で解凍できるのが最新の業務用解凍機です。導入によりオペレーションの円滑化や顧客満足度の向上はもちろん、スタッフの負担軽減など、多方面にわたるメリットが期待できます。

大手食品加工メーカー・
スーパー向け
フジ技研工業

引用元:フジ技研工業公式HP
https://www.fujigiken.net/thawing

特徴

  • ドリップを抑えつつ食材本来の色や風味を保ち、ムラなく均一に解凍が可能。大量仕入れ・加工を行う大手食品加工メーカーでの品質を安定させ、食材の無駄を減らし、クレーム削減やコスト削減にも貢献。
  • 強力な紫外線を照射し、カビなどを効果的に殺菌。製造ラインやバックヤードなど、衛生管理が求められる現場でも、清潔な状態を維持。食品の安全性と品質を確保。
  • 小型~大型まで多彩なモデルがあり、食品工場や店舗の規模・処理量に合わせて導入しやすい。

解凍方法

低温高湿解凍

冷たい湿気で鮮度と食感を保持

公式サイトで
機能の詳細を見てみる

電話で問い合わせる

高級寿司・
料亭向け
プロトンエンジニアリング

引用元:プロトンエンジニアリング公式HP
https://proton-eng.co.jp/

特徴

  • 100%の湿度環境と独自の電磁波技術を組み合わせるプロトン解凍でドリップを抑え、寿司ネタや高級食材の旨味・食感を保ちながら短時間で解凍が可能。
  • 庫内の空気圧をにコントロールすることで、食材への風を均等に行き渡らせ、解凍ムラを防ぎながら見た目の美しさや鮮度を安定して保持できる。
  • 柔軟な設備改修とコスト効率を両立し、既存の冷蔵・冷凍設備を活用しながら高品質な仕上がりと運用コストの削減を実現。

解凍方法

プロトン解凍

磁場と電場で細胞を守り品質維持

公式サイトで
機能の詳細を見てみる

電話で問い合わせる

回転寿司・
チェーン居酒屋向け
明治機械

引用元:明治機械公式HP
https://www.meiji-kikai.co.jp/microwave/

特徴

  • 物質への浸透性が高いマイクロ波により、食品内部まで均一にエネルギーを供給することで、魚介類から肉類までメニューの多い店舗の幅広い食材に対応できます。
  • 形状がバラバラかつ大量の食品でも短時間で均一に解凍。注文から提供までの時間を短縮できるため、ピーク時でもスムーズな料理提供が可能。
  • コンパクトな設計であるため、限られた厨房スペースやスタッフの多い店内でも、スタッフの動線を邪魔せず設置が可能。

解凍方法

マイクロ波解凍

マイクロ波で素早く均一に解凍

公式サイトで
機能の詳細を見てみる

電話で問い合わせる