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業務用解凍機と急速凍結機の組み合わせについて

冷凍された食品を効率的に解凍できる業務用解凍機と、食品を素早く冷凍できる急速凍結機を併用することは、食品の品質を保つうえで非常に効果的です。

こちらの記事では、この2種類の機器を併用することにはどのようなメリットがあるのか、という点についてまとめていますので、業務用解凍機や急速凍結機の導入を検討されている方はぜひ参考にしてください。

機械を組み合わせるメリットは?

業務用解凍機と急速凍結機を組み合わせて使用する場合、さまざまなメリットが得られます。ここでは、「品質保持」、「均一な解凍」、「時間効率」、「衛生管理」、「コスト削減」という5つのポイントについてまとめています。

品質保持

業務用解凍機を使用することで、冷凍した食品の品質を保持したままでの解凍が可能となりますが、食品の品質保持の観点から考えると、「どのように凍らせるか」という凍結方法も非常に重要になってきます。そのため、業務用解凍機は急速凍結機と組み合わせて使用するのが効果的です。

急速凍結機を使用すると、食品を急速に凍結させることができるため、食品内の水分が凍る温度帯を素早く通過させられます。凍結の際に食品の細胞構造が破壊されることがなく、解凍を行う際にもドリップ(ドリップロス)を抑えられます。このように、食品の細胞を破壊せずに凍結できることから、より良い品質での提供が可能となります。

均一な解凍

業務用解凍機の使用によって、急速凍結機で素早く凍結させた食品を均一に解凍できます。食品は均一に解凍が行われないと、たとえば食品の外側は解凍できているにもかかわらず、中心部分はまだ凍ったままといったことになります。このような状況になると、中心部が解凍されるまで先に解凍された周囲の部分の温度上昇が続いてしまうため、品質の劣化につながってしまいます。

業務用解凍機を使用して食品を均一に解凍することによって、部分的な品質の劣化が防げます。

時間効率

急速凍結機を使用した凍結と、業務用解凍機を併用することによって、保存する食品は素早く冷凍できますし、調理に使いたい食品を素早く解凍できるようになります。

このことから効率の良い調理が可能となり、食品の準備時間を大幅に短縮できます。そのため、時間的な効率アップをしたいと考えている場合には、急速冷凍機と業務用解凍機の併用がおすすめです。

衛生管理

食品において、菌が繁殖しやすい危険な温度帯は60〜10℃ですが、急速凍結機を使用することによってこの温度帯を素早く通過して冷凍を行えます。また、同様に冷凍された食品を解凍する際にも、業務用解凍機により素早く解凍することで危険な温度帯にさらされる時間を短縮できます。すなわち、急速凍結機と業務用解凍機の併用で適切な冷凍プロセス・解凍プロセスを用いることができ、食品の安全性を、より守れるようになります。

コスト削減

急速凍結機と業務用解凍機を併用すると、食品の品質を保持でき、食品の廃棄も減らせます。廃棄する食品を減らせれば、コストの削減に繋げられるというメリットもあります。

適切な冷凍・解凍ができなければ品質の悪化が発生したり、菌の繁殖が起こったりするおそれもあります。その場合には食品の廃棄を行わなければならなくなり、無駄なコストが発生してしまいます。急速凍結機と業務用解凍機を使用することによって、品質保持ができれば、このような無駄なコストの発生を防ぐことにもつながります。

特に大量の食品を扱う現場などでメリットが大きい

急速凍結機と業務用解凍機を併用する場合に考えられる、さまざまなメリットをご紹介してきました。この機器の組み合わせは、大量の食品を扱う飲食店やスーパー、食品加工工場などに向いているといえます。取り扱っている食材の特性に応じて、適切な急速凍結機と業務用解凍機を選択することによって、結果が得られます。

食品の品質保持や効率アップ、コスト削減などを目指したい、という場合には急速凍結機と業務用解凍機の併用について検討してみてはいかがでしょうか。

メーカー別に見る
業務用解凍機

Recom
mended

業種で選ぶ解凍機メーカー3選

「ピークタイムに急な解凍作業が追いつかず、調理スタッフが現場で混乱してしまう」「解凍ムラによって食材の品質が低下し、クレームにつながる」といった問題は、多くの法人企業様が直面している課題ではないでしょうか。これらを解決し、作業効率を飛躍的に向上させながら、食材の鮮度・食感をしっかり維持して短時間で解凍できるのが最新の業務用解凍機です。導入によりオペレーションの円滑化や顧客満足度の向上はもちろん、スタッフの負担軽減など、多方面にわたるメリットが期待できます。

大手食品加工メーカー・
スーパー向け
フジ技研工業

引用元:フジ技研工業公式HP
https://www.fujigiken.net/thawing

特徴

  • ドリップを抑えつつ食材本来の色や風味を保ち、ムラなく均一に解凍が可能。大量仕入れ・加工を行う大手食品加工メーカーでの品質を安定させ、食材の無駄を減らし、クレーム削減やコスト削減にも貢献。
  • 強力な紫外線を照射し、カビなどを効果的に殺菌。製造ラインやバックヤードなど、衛生管理が求められる現場でも、清潔な状態を維持。食品の安全性と品質を確保。
  • 小型~大型まで多彩なモデルがあり、食品工場や店舗の規模・処理量に合わせて導入しやすい。

解凍方法

低温高湿解凍

冷たい湿気で鮮度と食感を保持

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高級寿司・
料亭向け
プロトンエンジニアリング

引用元:プロトンエンジニアリング公式HP
https://proton-eng.co.jp/

特徴

  • 100%の湿度環境と独自の電磁波技術を組み合わせるプロトン解凍でドリップを抑え、寿司ネタや高級食材の旨味・食感を保ちながら短時間で解凍が可能。
  • 庫内の空気圧をにコントロールすることで、食材への風を均等に行き渡らせ、解凍ムラを防ぎながら見た目の美しさや鮮度を安定して保持できる。
  • 柔軟な設備改修とコスト効率を両立し、既存の冷蔵・冷凍設備を活用しながら高品質な仕上がりと運用コストの削減を実現。

解凍方法

プロトン解凍

磁場と電場で細胞を守り品質維持

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回転寿司・
チェーン居酒屋向け
明治機械

引用元:明治機械公式HP
https://www.meiji-kikai.co.jp/microwave/

特徴

  • 物質への浸透性が高いマイクロ波により、食品内部まで均一にエネルギーを供給することで、魚介類から肉類までメニューの多い店舗の幅広い食材に対応できます。
  • 形状がバラバラかつ大量の食品でも短時間で均一に解凍。注文から提供までの時間を短縮できるため、ピーク時でもスムーズな料理提供が可能。
  • コンパクトな設計であるため、限られた厨房スペースやスタッフの多い店内でも、スタッフの動線を邪魔せず設置が可能。

解凍方法

マイクロ波解凍

マイクロ波で素早く均一に解凍

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