高電圧解凍で食品を解凍する上でのメリットや注意点、さらには高電圧解凍方式を搭載した業務用解凍機を取り扱う国内メーカーをまとめて紹介します。
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企業名 | 完了温度(解凍温度) | 解凍時間 | 解凍機の製品数 |
---|---|---|---|
サンテツ技研 | - | 一晩 | 3 |
新星冷蔵工業 | -3℃~0℃ | 5~8時間 | 10 |
ツネザワ | - | 記載なし | 2 |
パナソニック | 芯温-1℃ | 約5時間20分 | 2 |
スマートハンドレッド | - | 約8分 | 1 |
※「-」はHP上に記載がなかったものを指します。
電気エネルギーを利用して冷凍食品を解凍する装置を、高電圧解凍機と呼びます。
取り扱い品を加熱することなく解凍するため、肉や魚などの冷凍食品の細胞破壊を防いで食感や鮮度を保ち、解凍時に発生するドリップを低減することで旨みも逃しません。
食品の細胞を壊さない高電圧解凍は、解凍後の食品が長持ちすることも特徴です。
高電圧解凍機は、食品の分子を活性化することによって解凍を促します。
一般的に、肉や魚、野菜などの食品の中には水分やタンパク質、炭水化物などの成分が含まれており、それぞれの成分は分子によって構成されています。
ここに高電圧をかけることで、それぞれの成分の分子が活性化し、冷凍状態から徐々に解凍。
電気によって分解された水分子が他の分子の間を埋め尽くすため、食品の酸化や細菌の繁殖を抑制し、鮮度を損なわずに冷凍品を解凍できます。
高電圧解凍機は、真空解凍機、蒸気方式、高周波方式、マイクロ波方式などの解凍機と比較した場合、解凍にどのような優れた特徴があるのでしょうか?ここで、具体的に紹介しています。
高電圧解凍機は、高い制菌力が大きな特徴の一つです。高電圧解凍機による解凍は、ドリップの発生が少なく、菌の増殖を抑制できます。そのため、鮮度を保持し、食中毒の予防も期待できるでしょう。
高電圧解凍機による解凍は、食材の酸化を抑制し、変色も少なくします。高品質な解凍に仕上がり、美味しい食材を提供可能です。高電圧解凍機は、高品質で美味しく解凍できるといえるでしょう。
他の解凍機と比較した場合、処理量に対するイニシャルコストもランニングコストも低コストで解凍可能です。また、作業者の負担も少なくて済むでしょう。高電圧解凍機は、低コストで高い作業効率の機械といえます。
高電圧解凍機は、他の解凍機と比較して優れた特徴を有していますが、課題も存在しています。ここでは、高電圧解凍機の課題について紹介しています。
高電圧解凍機は、蒸気方式、高周波方式、マイクロ波方式と比較して、解凍時間が長くかかります。解凍時間が長いことで、迅速な食材の提供ができなくなります。
高電圧解凍機は、大手食品工場への導入がまだ進んでいません。そのため、実績不足は否めません。近年、大手企業への導入実績は増えてきつつありますが、まだ認知が進んでいないことも事実です。
サンテツ技研は、高電圧を利用した解凍機の製造販売を手がけています。
高電圧静電誘導によって発生した電気エネルギーを食品にかけることで、冷凍食品の酸化や菌繁殖を抑制しつつ解凍することを可能に。
品質を保つだけでなく、食品ロスも未然に防ぐことが可能です。
サンテツ技研のデパック解凍機には大きく2種類があり、業務用冷蔵庫タイプは内容量や解凍能力に応じてさらに4製品に分けられます。
最小型のSE-DEPAK H500では、内容量は491リットル、最も大きいSE-DEPAK H1600の場合は1616リットルになります。
解凍能力に関しては、SE-DEPAK H500では1時間あたり60kg、SE-DEPAK H1600であれば1時間あたり180kgの解凍が可能です。
デパック解凍機のもう一つの種類である大型冷蔵庫タイプは、オーダーごとに都度見積もりのうえ製造。
型式は6種類用意されてあり、最大タイプのSE-DEPAK PH4.0であれば1時間あたり2880kg、内装カートに換算すると12台分を一度に解凍する処理能力を誇ります。
サイト内で紹介している解凍機の特徴についてまとめました。食材やニーズに合わせて適した解凍方法を選びましょう。