冷凍食材の代表的な解凍方法に関して、それぞれの特徴やメリット、デメリット、さらには業務用解凍機を取り扱う国内メーカーを紹介します。
流水解凍とは、シンクなどに溜めた水の中に肉などの冷凍食品を浸けて、水を流しながら解凍する方法です。
流水解凍機の大きな特徴は、およそ30分ほどで大抵の食品を解凍できるスピードですが、ドリップが大目に発生するため旨みや鮮度を損いやすい点がデメリットと言えます。
高電圧解凍とは、電気エネルギーを利用して、冷凍食品の分子を活性化させることで解凍する方法を指します。
取り扱い品に直接熱を加えることなく解凍するため、肉類や魚介類などの細胞を破壊することなく、解凍後も冷凍前の食感や風味をキープできる点が強みです。
また、電気エネルギーによって活性化した水分子が他の分子間を埋め尽くすことで、抗酸化効果や菌の繁殖防止効果をもたらし、解凍後の食品が長持ちすることも魅力の一つです。
高周波解凍とは、1〜300MHzの高域な周波数の電磁波によって、冷凍品を加熱する解凍方法です。
冷凍品の外部から熱を加えて解凍する外部加熱方式と異なり、内部から解凍する高周波は冷凍製品の表面を溶かしたり旨みや鮮度を損なうことがありません。
取扱い品の厚みやサイズに関わらず均一に熱を伝えられる点、短時間での解凍が可能な点もメリットとして挙げられます。
低温で湿度の高い蒸気が水へと凝縮する際に生じる、潜熱を用いて冷凍品を解凍する方法を低温高湿解凍と呼びます。
スピーディで均一な解凍が可能な低温高湿解凍機は、肉や魚をはじめとして、弁当や惣菜などの調理品、さらにはケーキなどにも利用でき、多くの食品加工現場で役立てられています。
解凍庫内に静電エネルギーを発生させて、庫内の冷凍食品に微振動を与えることで、過冷却現象を起こして解凍する方法を静電エネルギー解凍と呼びます。
設備導入の簡単さや解凍品質の高さから、近年注目度が高まっている解凍方法です。
マイクロ波解凍機は、電子レンジと同様の仕組みで冷凍品を解凍する仕組み。短時間で解凍が行えるため、食品の鮮度をキープしながら解凍できるところが特徴です。近年、さまざまなメーカーがマイクロ波を使用した解凍機を取り扱っています。
自然解凍は、冷凍品に何も手を加えず、常温環境に放置することによって解凍させる方法です。
何も手を加える必要がないため一見簡単に思えますが、食品によっては酵素反応や組織ダメージが起きて解凍後の品質を損ねてしまうリスクがあります。
すでに加熱調理済で食品表面の酵素を失活させている、もしくは味付け済で酵素反応が抑えられている食品で、常温保存が可能なものに適した解凍方法です。
冷凍品を冷蔵庫内に放置することでじっくりと解凍させる方法で、ドリップが出にくいため解凍後の旨みを損ないません。
また、冷蔵庫は工場や飲食店に既設されているケースが多いため導入費を抑えられる点がメリットです。
ただし、冷蔵庫解凍は0℃に近い低温でゆっくりと解凍する方法なので、容量の大きな冷凍品は解凍に時間がかかりすぎる点がデメリット。
少量の生鮮食品や野菜を解凍するのに、適した方法と言えるでしょう。
冷凍された生鮮食品の解凍にはいくつかの方法があります。そのなかでも、手軽でポピュラーにおこなわれているのが「温塩水解凍」でしょう。塩水のぬるま湯に浸すというシンプルな方法は、スーパーでの鮮魚部門や水産卸、寿司店など広く活用されています。
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サイト内で紹介している解凍機の特徴についてまとめました。食材やニーズに合わせて適した解凍方法を選びましょう。