冷凍した食品を解凍する方法はいくつかあります。その中で、冷凍された食材を、高い品質を保ったまま解凍できるのが氷水解凍です。0℃近くの水で食品へのダメージを抑えながら、高い熱伝導がある水を利用し解かしていきます。ここでは、氷水解凍のメリットやデメリット、適した食材などについて解説していきます。
まずは、氷水解凍のメリット・デメリットについて解説していきます。
氷水解凍のメリットは主に2つあります。
1つ目が、ドリップを抑えられることです。ドリップとは、冷凍した食品を解凍した際に、細胞内の氷が解けて水になり、傷ついた細胞から流れ出してくるものをいいます。ドリップが多く出てしまうと食品が水分を失い、食感が損なわれてしまいます。また、ドリップには食品本来の旨味や栄養も含まれているので、ドリップがたくさん出ると味わいも落ちてしまうのです。氷水解凍は自然解凍などと比べ低い温度で解凍するのでドリップが抑えられます。ドリップによって味が落ちることを避けたいという方は、氷水解凍がおすすめです。
2つ目が、冷蔵解凍よりも早く解凍できることです。冷蔵庫内と氷水は同じくらいの温度ですが、水のほうが熱伝導率が高いので、氷水のほうが早く解凍できます。具体的には、冷蔵解凍は1日ほどかかるのに対し、氷水解凍では数時間で解凍できます。
氷水解凍のデメリットは氷を用意する手間がかかることです。特に大きな食品を解凍するときは、氷を多く用意しなければなりません。また、夏場は室温も高いので、氷水の温度が上がらないよう、こまめに氷を追加する必要があります。
先ほど、デメリットの1つとして、冷蔵解凍よりも早く解凍できるとご紹介しました。しかし、数10分で解凍できる流水解凍に比べると氷水解凍は時間がかかってしまいます。とにかく早く解凍したいという方には向いていないでしょう。
氷水解凍は低い温度で解かしていくので、ドリップを防ぎ、食品を美味しく解凍できるという特徴があります。そのため、氷水解凍は鮮度や品質が落ちやすい生鮮食品の解凍に向いています。パウチされたものだと袋の中に水が入らないのでさらにおすすめです。
肉 | ・店頭販売の生肉 ・馬刺し など |
魚 | ・刺身 ・カニ など |
氷水解凍の方法を手順ごとに紹介します。
氷水解凍を行う際は、食品にまんべんなく水が当たることが大切です。食品がすべて水に沈む大きさの容器を用意しましょう。氷は水が冷たくなる程度の量を入れてください。途中で氷が解けてなくなりそうな場合は、氷を足しましょう。
食品を氷水の中に入れます。水は熱伝導率が高いので、0℃の空気と比べて10倍以上の速さで解凍できるといわれています。
解凍するときは、食品がすべて氷水に浸かっていることが重要です。食品が浮いてくるようであれば、お皿などを食品の上に置いて沈めましょう。袋に空気が入っていると浮いてきてしまうので、空気を抜いておくことも大切です。
食品が解凍できたら氷水から取り出しましょう。その後調理する場合は、少し芯が残る程度に解凍してください。
氷水解凍について解説してきました。氷水解凍は、低い温度で解かすため、食品の旨味を逃がさずに解凍できる方法です。また、冷蔵解凍に比べて早く解凍できるのも特徴です。生鮮食品を美味しく解凍したいと考えている方は試してみてください。
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