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解凍時の品質劣化(食品の構造変化)

解凍時に食材が劣化する?

冷凍した食材にはそれぞれに適した解凍方法があります。適切な解凍方法を取らなければ、食材の変色、ドリップなどの問題が生じてしまいます。

冷凍・解凍の仕方によって品質が変わる

冷凍や解凍の方法によっても、食材の品質は変化します。冷凍や解凍時に、氷の結晶が大きくなる-5℃~-1℃の温度帯をできる限り早く通過することが、食材の品質を保持することにつながります。そのため、急速冷凍や急速解凍の技術が必要になるのです。近年、急速冷凍機や解凍機の普及で、冷凍した食材の品質を低下させないで提供できるようになりました。

解凍時に食材が劣化する原因

食材を解凍するプロセスで、-5℃~-1℃の温度帯は氷結晶が成長します。その温度帯を解凍で通過する時、細胞から脱水がおこり、食材にダメージを与えてしまいます。また、10℃~40℃では食材の酵素反応が起こるため、変色やドリップの問題が生じます。ここでは、解凍時に食材が劣化する5つの原因について詳しく考えてみましょう。

①組織内の氷の結晶が大きくなって細胞が壊れる

-5℃~-1℃の温度帯では、食材の組織内の水が凍り始め、氷結晶が大きくなるため、細胞が壊れてしまいます。さらに、氷結晶は冷凍保存中に大きく成長してしまい、食材に影響を与えてしまいます。

②デンプンの老化

おにぎりを冷蔵庫に入れて保管していると、デンプンの老化でボソボソになってしまいます。これは、-20℃で急速冷凍するとデンプンの老化を防ぐことができます。

③長期保存による食品の乾燥・酸化

食材を-18℃以下で冷凍保存すると腐るということはありません。しかし、食材の色が変化するのはなぜでしょうか?それは、食材が酸化してしまうからです。また、冷凍食材から水分が抜けて乾燥することも発生します。それは、冷凍庫の中が乾燥していて、氷が昇華するからです。このように、長期保存による食材の乾燥・酸化は、品質の劣化をもたらします。

④常温での酵素反応による変化

常温の10℃~40℃の温度帯では、食材の酵素反応が頻繁におこるため、変色やドリップの問題が生じます。このドリップには、水分や栄養分を多く含んでいるため、微生物の増殖が起こります。常温での解凍を行う場合は、このような酵素反応や食中毒にも注意が必要です。

⑤解凍後の再凍結

冷凍した食材を解凍後、再度凍結することは食材の品質を悪化させます。この場合、加熱処理をした後、再凍結することで品質の悪化を抑制することが可能です。また、冷凍された食材を解凍し、再凍結を繰り返すと食材中の水分による霜の付着など、品質を悪化させます。

解凍時の食材の劣化を防ぐには

解凍時の食材の悪化を防ぐには、-5℃~-1℃の温度帯をできる限り早く通過させる解凍を行うことが大切です。また、10℃~40℃の温度帯での酵素反応に注意することが必要です。そして、解凍後の再凍結をさけることも大切といえます。冷凍させた食材を解凍して提供するには、解凍時に食材を劣化させないポイントを把握し、その食材に適した解凍法に従うことが大切です。

メーカー別に見る
業務用解凍機

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業種で選ぶ解凍機メーカー3選

「ピークタイムに急な解凍作業が追いつかず、調理スタッフが現場で混乱してしまう」「解凍ムラによって食材の品質が低下し、クレームにつながる」といった問題は、多くの法人企業様が直面している課題ではないでしょうか。これらを解決し、作業効率を飛躍的に向上させながら、食材の鮮度・食感をしっかり維持して短時間で解凍できるのが最新の業務用解凍機です。導入によりオペレーションの円滑化や顧客満足度の向上はもちろん、スタッフの負担軽減など、多方面にわたるメリットが期待できます。

大手食品加工メーカー・
スーパー向け
フジ技研工業

引用元:フジ技研工業公式HP
https://www.fujigiken.net/thawing

特徴

  • ドリップを抑えつつ食材本来の色や風味を保ち、ムラなく均一に解凍が可能。大量仕入れ・加工を行う大手食品加工メーカーでの品質を安定させ、食材の無駄を減らし、クレーム削減やコスト削減にも貢献。
  • 強力な紫外線を照射し、カビなどを効果的に殺菌。製造ラインやバックヤードなど、衛生管理が求められる現場でも、清潔な状態を維持。食品の安全性と品質を確保。
  • 小型~大型まで多彩なモデルがあり、食品工場や店舗の規模・処理量に合わせて導入しやすい。

解凍方法

低温高湿解凍

冷たい湿気で鮮度と食感を保持

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高級寿司・
料亭向け
プロトンエンジニアリング

引用元:プロトンエンジニアリング公式HP
https://proton-eng.co.jp/

特徴

  • 100%の湿度環境と独自の電磁波技術を組み合わせるプロトン解凍でドリップを抑え、寿司ネタや高級食材の旨味・食感を保ちながら短時間で解凍が可能。
  • 庫内の空気圧をにコントロールすることで、食材への風を均等に行き渡らせ、解凍ムラを防ぎながら見た目の美しさや鮮度を安定して保持できる。
  • 柔軟な設備改修とコスト効率を両立し、既存の冷蔵・冷凍設備を活用しながら高品質な仕上がりと運用コストの削減を実現。

解凍方法

プロトン解凍

磁場と電場で細胞を守り品質維持

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回転寿司・
チェーン居酒屋向け
明治機械

引用元:明治機械公式HP
https://www.meiji-kikai.co.jp/microwave/

特徴

  • 物質への浸透性が高いマイクロ波により、食品内部まで均一にエネルギーを供給することで、魚介類から肉類までメニューの多い店舗の幅広い食材に対応できます。
  • 形状がバラバラかつ大量の食品でも短時間で均一に解凍。注文から提供までの時間を短縮できるため、ピーク時でもスムーズな料理提供が可能。
  • コンパクトな設計であるため、限られた厨房スペースやスタッフの多い店内でも、スタッフの動線を邪魔せず設置が可能。

解凍方法

マイクロ波解凍

マイクロ波で素早く均一に解凍

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